真田丸 第三回「策略」感想 騙す人、騙される人

いきなり3話からの感想。
その内、1話2話もメモはあるので書く気になったら書く。
BSでまず視聴し、地上波での放送後に書いていく予定。

大河ドラマ 真田丸 第三回「策略」

タイトル「策略」のとおり、
他の国衆と真田家との裏のかきあい。
騙される室賀、騙す出浦(忍者)。
ついでに騙される信之。

真田兄弟の関係

真田の里に帰ってきた真田家一同は、これからの展望について話し合う。
ひとまずは織田家につく、昌幸の提案に慣れた様子で賛同する一同。
それに参加せず何やら準備していた次男坊の信繁は、
父の弟・信尹に自分も彼のように兄・信之を支えていきたいと語る。

真田兄弟の違いというのは一話から丁寧に描かれていて、
奔放な父にところどころついていけない兄と、父に素直に従う弟。
そんな二人は普通に仲がいいという関係を、兄弟の行動で巧みに表現している。
劣等感にさいなまれるけど素直な兄をコメディの印象強い大泉洋さんが
うまく演じてらっしゃる。

この兄弟の絆がどうなっていくのか、
兄が二番目にクレジットされているところもあわせて、
真田丸では大事にしていくのだろうということが伝わってくる。

信長の影

一方の徳川家康。信長を迎え入れるために高遠城を整備していた。
先週には武田を裏切った小山田を処刑したように、織田の気風は厳しい。
家康は神経質に城内についての指示を出していた。
この信長への怯えは、真田と国衆たちとの会話の中にもあり、
真田丸における最初の大きな壁であることを要所要所で匂わせている。
その流れで登場するのが戦国最強との呼び名も高い本田忠勝。
敵の武将も弔う武士としての心意気を大事にしていて、
供養を生き残った武田の家臣の怪獣のための手段と捉えている家康に、
忠勝が従う立場にいるという関係性は、
信之と昌幸の関係に近いものがあるのかもしれない。

信繁の恋

信繁が準備していたのは想いを寄せる梅への櫛だった。
王道の幼馴染といった風情のきりに促され、なんとかそれを渡す。
この場面の自分で渡すよう仕向けておきながら櫛のグレードにショックを受けたり、
乾かしている薪に興味を示したふりをして、信繁と梅の会話を促すきりが面白かった。

そこに梅の兄が帰ってきて、1話の後の2話予告から出されていた
くるくる信繁の場面がようやく放送される。

百姓同士の諍いに参戦する信繁。
上にいる敵に攻撃を仕掛けるな、投石からの奇襲、
そして意外と強い梅。百姓を追い払った帰り道に
現れた高木渉さん演じる小山田茂誠。
裏切るつもりはなかったのに、一話で主君、武田勝頼を裏切ることになってしまった
松の旦那がなんとか真田家に落ち延びてきた。

「策略」

一方の信之は昌幸の命令を受けて書状を上杉に届けようとするが、
途中で室賀と出浦のものに書状を奪われてしまう。
落込み、腹を切って失敗を償おうとするが、それは昌幸の策略だった。
二回も「分かりませぬ」と繰り返す信之に昌幸は
上杉への書状を室賀に奪わせそれを織田に渡らせることで、
真田家に興味を持たせたと説明する。
なんて手間のかかることを…!
この説明を昌幸がワクワク顔でしている間、
シリアスな顔を崩さない出浦はただ者じゃない。
信繁に術を教えてくれと言われる忍者なだけはある。

間が悪いことに、何ともいえぬ感情に襲われ落込む兄に
信繁が茂誠のことを相談に来る。
自分が失敗した時と同じように、腹を召せとすすめ、
できないなら介錯してやると一度は刀を抜くも、
父への報告は明日、昼に起きてからすると態度を改める信之。

その翌日、信長のもとへ行く、同行するのは信繁という
父の決断に不満げな信之に昌幸は言う。
 「わしらに何かあった時はお前が真田を率いていくのだ」
その言葉を残し、昌幸は信繁を連れて旅立つのだった。

まとめ

信繁と梅ときりの三角関係という恋愛パート、
「源三郎どの!……ちと寒い」などの笑い、
真田の里の美しい情景、
それぞれを入れつつ物語を進めるので、
一話一話の濃さがとにかくすごい。
それでいて国衆という聞きなれない言葉を
話の展開で分かりやすく説明する技術もある。

特に気に入っているシーンは、
松の旦那・小山田茂誠の行方についての嫁姑の会話。
薫「生きていてほしいものですが」
とり「死んでますね」
このふたりの会話はテンポが小気味いい。

次週、真田丸クヒオ大佐」…ではなくて第四回「挑戦」

 

 第二回「決断」感想

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