真田丸 第五回「窮地」感想 家康の戦い、真田家の戦い

織田への臣従を決めた真田家。
信繁は安土の発展に目を輝かせるが、
すかさず本能寺の変が起きてしまう。

第五回「窮地」

情報戦は戦の基本。
野戦ももちろん戦の基本。

「3分でわかる 本能寺の変」のその後

 無事、真田は織田に服属した。
人質となった松とともに安土に到着した信繁は、
その発展ぶりと信長の才に舌を巻いていたが、
その矢先に本能寺の変が起ってしまう。

信長の死の描写は先週の鎧崩しで終わり、
小山田の処刑や昌幸への詰問で存在感を見せていた
嫡男・信忠もあえなく腹を切る。

知らせを聞き、逃げる算段を整える家康一行。
あれもだめだこれもだめだと、
退路を見いだせず頭を抱える家康は
信長を助けに行く。万が一生きていたら
明智より上様=織田の方が怖いと言い出し、
数正達を困らせるが最終的には伊賀越えを決意する。

武田の裏切り者・穴山梅雪もそれに同行する。

同じく信繁たちのもとにも、騒動が聞こえてくる。
京からそう離れていない安土でも、
人が逃げて来るばかりで何があったのか分からない。

様子を見に行くことを決める信繁は、「織田の人質」姉を
残して安土を立つ。

「安土で何かが起きた」それは分かっても、
実際に何が起こっているのか、
ネットもテレビもない時代、正しい情報はなかなか来ない。

真田信繁・恋模様

一方の真田家にはまだ京の騒動は聞こえてこない。

内記が昌幸に願い出て、きりは真田家で奉公する。
きりのことを語り二人で顔を崩す様子は
ただの親父と言った風情でなんとものどかだった。

梅ときりは、信繁をどう思っているのかの話をする。

梅は信繁に思われている事実について自信がなく
きりに「いやみと紙一重」だと言われる。
そんな梅にきりは協力を申し出るが、
梅は気持ちだけで十分だとことわる。

信繁に思われている梅が「いやみ」なら、
真田家に近い身分のきりもある意味「いやみ」だ。

一見、親しげに見えるこの二人の仲が、
はたしてどう転んで行ってしまうのだろうか。
調理次第ではいくらでも泥沼にできてしまうだけに、
思わず身構えてしまうが見守りたい。

徳川探検隊、伊賀越えを敢行する

家康は意外と健脚で、徳川探検隊の先陣を切る。

穴山梅雪は腰痛を口実に探検隊を離脱する。
家康と心中したくはないと別れた彼だったが、
しかし落人狩りに襲われてしまったという。

こうして武田の軍議に参加し目立っていた人間は、
真田家以外全員死んでしまった。

落人狩りは一話でも真田家を追い詰めていた。
武士だろうと多勢に無勢で地の利がないのならば、
あえなくやられてしまうのがこの時代なのだ。

ひいこら言いながら野山を逃げる徳川一行。
彼らの前に、忍者が現れた。
服部半蔵、佐助に引き続き有名な忍者の登場だ。

家康の意見を聞かずに落人狩りを正面突破したり、
急すぎる崖を降りたり、
徳川一行が和やかに握り飯を食っているところに
この先には明智の手の者がいますと進言したり、
やりたい放題の服部半蔵だった。

ほとんどべそをかきながら突破していく家康。

その姿はどこまでも泥臭く、信忠の前で昌幸と
裏の掻きあいをしていたのが大昔のことのようであった。

真田丸は海の中

ようやく真田家にも変事の知らせが届き、
明智光秀からの書状が届く。

使者を湯治に十日ばかり浸して時間稼ぎをしながら、
昌幸と信之、内記は今後の対応を協議する。

内記に国衆を集めさせるために退席させ、
信之と二人きりになった昌幸は怒りを爆発させる。
信之は一度従った織田を敵に回すなと説得するが、
父は聞き入れない。

「ちくしょー信長め!」
「全く分からん!」「わしはどうしたらいい!?」

源三郎も唖然とするばかりだ。

落ち着きを取り戻した昌幸は静かに、
自分は海を見たことはないが、海の中にいるようだ、
力のない我々はどう渡っていくべきかとぼやく。

いいことを言っているようで、実は海を見たことがあるらしい昌幸。
信之はそれを内記に確かめる。
信之も徐々に昌幸の言葉を疑うことを覚えたようだった。

昌幸たちの苦悩も知らず、薫は信長が死んだことを喜ぶ。

比叡山の坊様たちを焼き討ちにした」
国衆たちが噂していたような悪名は薫にも届いていた。
神仏を軽んじる人間には天罰が下ったのだ、
これで人質になった松も戻ってくると、
喜ぶ薫に、昌幸は松の危機に思い至る。 

小県の国衆たちを集め、光秀の書状を示し、
自分で国衆への書状を燃やしておきながら、
「わしを選んだ」と押し通そうとする昌幸。

昌幸の命令で上杉と交渉していた真田信伊は、
今こそ織田を攻める好機と上杉をけしかけるが、
上杉は義を理由にして首を縦に振らない。
なおも食い下がる信伊に、直江兼続は釘をさす。

「お察しくだされ」

織田に攻められ続けた上杉には余力がない。
言い方を変えてそれを真田に知らせてくる上杉に、
真田は上杉について織田に立ち向かうことを諦める。

滝川一益は夢を見る

織田信長は恐怖の象徴であった。
しかし彼がすべてを平定することで、
戦のない平和な世界がくる。
少なくとも一益はそう信じた。
しかし、明智によって信長は討たれてしまう。

 信長の死を微塵も知らない滝川一益

彼の語る平和に、居た堪れないような表情をする信之。

明智は本当に愚かなことをしたと、苦々しげな昌幸。

安土の混沌

本能寺で信長が討たれたことをようやく知った信繁は、
姉の身を案じて安土に取って返す。

松は安土城に連れて行かれていたが、
安土城は混乱のさなかで、すんなり中にはいれてしまう。

信繁を待たずに茂誠ひとりでも奪還できそうだった。
松の言葉には逆らえず、他家の人質も連れて、
逃走する信繁。
ひょっこり顔をのぞかせた獣がタヌキだったのは、
家康は先んじて逃げ延びているぞということなのだろうか。

安土城に集められた人質の女性たちの中に少年もいた、
どこの御子息だろう。

家康はボロボロながら妻のもとへたどり着いた。
しかし、真田姉弟の逃走はこれからだ。
彼らは無事に真田家まで帰りつけるのだろうか。

 まとめ

番組冒頭、信長は一代の風雲児と称されていた。

彼が本能寺の変で死ななかったらどうなっていたか。
よく歴史のもしもで語られる事柄だ。
それを今回は、滝川一益という視点で語らせていた。

 残念ながら、真田丸でも歴史に従い、信長は死ぬ。
滝川一益の夢見た平和が来るのはまだまだ遠い。

平和の世を作る男は泥にまみれて逃げていた。

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 今週に秀吉が出るかもしれないと思って慌ててあげた記事。

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