『鬼滅の刃』吾峠呼世晴先生の読み切り『肋骨さん』
『鬼滅の刃』吾峠呼世晴先生の読み切り二つ - Shirokutsushitaのブログ
上記記事の続き。
肋骨さん
前作二つが陰気な主人公なのとは打って変わって、やわらかで社交的な印象のある主人公。
連載の主人公に一番タイプは近いだろうか。
主人公のモノローグが増えていて、物語として状況の伝わりやすさも向上している。
主人公のモノローグは独特で作品の雰囲気に対して効果的ですが、ひとたび話し始めるとコマが会話で埋まってしまうきらいがあります。
ただ会話のない場面、表情での感情の見せ方もうまい人なので、そこはこの作品のバランスなのかなとも思います。
主人公の必死さ、その原因、自分自身の見つめ直し。
読み切りの尺の中で、それを描ききっているところが素晴らしい。
本編と関係のないところだと浄化された邪氣や河童が可愛い。
連載の禰豆子の可愛さに通ずるところがある。
文殊史郎兄弟に出てきた愛児院のマミコさんも主人公に大きな啓示を与える人物として出演している。
文殊史郎兄弟に出てきたときの正直で無遠慮な人という印象はそのままに、その人となりがもう少し掘り下げられているのも面白いところ。
読み切りでは焦点をあてた人物の、複雑な心情がよく伝わってきます。
『鬼滅の刃』の主人公は、まっすぐで妹想いな人間で、今のところそこまで複雑さはありません。
その特色を連載の尺でどう生かしていくのか、『鬼滅の刃』の今後が楽しみです。
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