読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

第十回「妙手」 恐れ入る一手

真田丸 感想

とうとう節目の第10話。信繁も信之も正念場。
真田家が散々、弄してきた策も報われる時です。

真田丸、第十回「妙手」。
前回のキーポイントは鷹、今回は囲碁

突然の和睦

開幕ぶち切れ室賀さん。画面からフェイドアウトしてなお消えない大声と共にお怒りです。
ようわからんと弱弱しい昌幸。気にするなと出浦。それぞれのスタンスが見えます。

これは戦を長引かせないための和睦。家康は長引いたら困るのだろうと真田家は判断。
室賀に言われなくともこれからの行動を考えます。

そして信繁の叔父・信伊は真田の代表として徳川家の頭脳・本多正信に抗議します。

徳川に力を貸したのは北条と引き分けさせるためではない。勝たせるためだと。
お互い弱体化してもらいたかったのにこれではもちろん真田は困ります。

そんな信伊を褒めこそすれ、雑魚にかかずらっている暇はないと真田を軽視する家康。
北条が先週雑魚扱いしたせいで苦汁をなめたのを知らないので呑気な発言ですが、家康にはきちんとそれを窘めてくれる正信がいます。

真田は雑魚は雑魚でも猛毒を持つと忠告。

それぞれの陰謀が渦巻きます。

徳川家対真田兄弟

徳川に呼び出された真田家。
昌幸は病欠と学校に行きたくない小学生みたいな言い訳で不在です。
北条と徳川がまさか手を組むとは追わなかったと父が言っていますと、いないことをいいことに父を盾にわりと言いたい放題の信之。

上杉の出方について注進、虚空蔵山城(こくぞうさんじょう)という覚えにくい名前の城を拠点に攻めたいから城を作れと申し出ます。
売り込み営業みたいな信繁から図面を受け取り、いい城だと褒める家康。

沼田をよこせと家康、理不尽至極、じゃがではござらん!と言い返す信之。
室賀さんの迫力を見習ったのか如く力強い信之ですが、家康に忠実な忠勝は怒りのまま切り捨ててくれると立ち上がりますが間に信繁が入ります。

忠勝がいちいち怒ってくれるからこそ、家康はあんまり怒らずに済んでいるのかもしれません。(苦労も増えているでしょうけれど)

いったん持ち帰ると真田一党。
刃物が出てくる以外はなんだか社会人みたいなやりとりです。
就活の参考書に真田丸を!

ここら辺のやり取りをしているときの、信之の家康を見あげる目がなんか好きです。
ぐっと目玉が上向いている感じが気合のほどを感じさせます。

気合を入れすぎてすっかり力の抜けた兄上。

本多忠勝が苦手なタイプといっていますが、ナレーションでバラされている通り相手は後に舅になる男。
性格がまっすぐなところは似ている2人ですが、熱さが段違い。
真田の父に振り回されてる信之ですが、これから義理の父にも振り回されることになるのでしょうか。

一方、徳川会議。

阿茶局がふてぶてしい老女が安房守の母と名乗っていると告げ、ばば様の存在が発覚します。
ここでばば様を盾に卑怯な要求でもしてくるのではないかと考えてしまった私はだいぶ昌幸に毒されています。

宴の席でばば様と引き合わせられる真田兄弟。
お元気そうだと、かつてばば様をとりもどせなかった信繁も無視された信之も喜びます。
そして方々を飛びまわっている次男の信伊とは久々の再会だったらしいばば様。
とても優しい母親の顔で自分の肩を叩かせます。

ほれほれもっと力を入れて叩かんかい、わしが叩こうかと場を和ませるようなことを言いながらやっていることはやんわりとした恫喝な家康。
ただ沼田を渡すまではばば様を拘束するとかそういう駆引きに出ない辺りは昌幸よりましではあります。

真田の里、それぞれ

「沼田は忘れる」

父の決定を受けた信之は、矢沢に沼田をくださいと言いに行きますが、的を外すほど怒った叔父に寄越せというなら俺を殺せと迫られます。
お兄ちゃん、徳川で頑張って家に帰ってからも散々です。
ここで信之にご勘弁をと殺すのを拒否された後、叔父上がきちんと的に命中させているのも細かいです。

血の気が多いとも称される矢沢叔父。
ある意味、本多忠勝に近いのはこの人なのかもしれません。
信之がんばれ。

女性方はとりを囲んで話しあっています、この時代我々には何ができるのかを話し合うというお題目でしたが、肝心のばば様が具体的な案は持ち合わせていませんでした。
このごまかしっぷり、さすが昌幸の母です。
話は移って人質談義。
何でもすると言う健気なこうは病弱、ばば様も高齢、薫は「あれ」。
人質が足りないから信繁に嫁でもと、ちょっと無理やりな流れの会話になぜかきりちゃん口を挟みます。

「源次郎さまのお嫁さんは傍で支えてくれる人がいい」

完全に梅ちゃんのことです。きりちゃん頑張れ。

徳川から沼田は好きにしろとお墨付きをもらった北条氏政
べろを出してお菓子をなめておいしそうに食べます。
奇怪な行動を全力でやって、大河で浮かないのはすごいところです。
昌幸、家康とは違った意味でめんどくさいというのがよく伝わります。

七十にもなって大変お元気な矢沢叔父。
北条との戦に耐えます。
大名にあらがう勇気は見上げたものです。

父(矢沢叔父)の助けに行きたい三十郎を連れて信繁は父に直談判に行きます。
そんな息子に話したいことがあると立ち上がるついでに碁盤を刀についているふさふさでめちゃくちゃにする昌幸。
すまんすまんとうろたえる内記に謝りながら念入りにかき乱します。
ふさふさに埃がつかないか心配です。

援軍に行きたい三十郎に許可を出し、いよいよという時には矢沢をなんとか連れ出せと昌幸。
そして息子・信繁には上杉に行ってこいと指示を出します。
方法は分からないが協力させて来い。
信之なら頭を抱えそうな投げっぱなしな提案ですが信繁は受けます。

父に仕事を任されうきうき気分の源次郎は上杉に行くと梅ちゃんに報告。
二人で待っていると返す梅ちゃん。
なんと梅ちゃんご懐妊。
作兵衛も先週わざとらしい嘘でおうちを空けた甲斐がありました。
先週きりちゃんがとてもいいコントロールを見せていた裏で、信繁も梅ちゃんにうまいこと命中させていたようです。

 信繁、上杉に出戻る

上杉の地に戻る信繁。
春日をぶっ殺した苦い思い出の地ですが、そんなものは梅ちゃんのおかげでとっくに乗り越えている信繁は凛々しい顔で上杉景勝と向かい合います。

兼続に殺せと命令された兵士たちに刃を向けられてもひるまず、上杉を裏切った気まずさなどみじんも感じさせず、北条と徳川が勝手するから真田の意地を見せるために、城を建てさせた。
上杉と戦うと見せかけて徳川と戦うための城を。ひいては戦芝居を打って、北条撃退に協力してほしい。

むちゃくちゃな要求にもちろん兼続は断らせようとしますが、上杉景勝は面白いといい笑顔。

見事、信繁は上杉を動かして見せます。
「面白くなければ人は動かない」父の教えを実践しました。

信繁が帰り二人だけになり、真田の要求をのんだ主に不満げな兼続に、これでまた裏切られたらそれは自分の命運が尽きる時と、言い切る景勝。
家同士では戦いや裏切りが絶えないこの真田丸ですが、どの家でも主従間では意外と言いたいことを言い合い、信頼し合っているのが面白いところです。

そして始まる世紀の大茶番。
双方、構えたり貝を吹いたり、まじめにやっているのが余計に笑いを誘います。

一通りやることをやって、信繁は一人砦の上の兼続に近づきます。

緊迫した表情をしながらも、弟を信頼して任せている信之の表情もいいです。

こうして真田家の決死の演技と直江の猿芝居で、上杉の矛先が北条に向くという嘘を北条に信じ込ませた真田と上杉。
見事、沼田から北条を撤退させるに成功しました。

 結実

頂じゃ、と昌幸。恐れ入る内記。

ようやく昌幸に兄弟そろって褒められます。

東がまたもごちゃついてきて、秀吉に備えたい家康は気が気ではありません。
真田安房守、そろそろ消えていただきましょう。とお主も悪よのうな発言の本多正信
まだまだ仕掛けてくる模様。

そして見事、自分の策で誰も死なせずことを成し遂げた信繁。
梅ちゃんに報告し、お前のおかげだと感謝し、さらに言葉を続けます。

「お前はなくてはならぬ人だ。私の妻になってくれないか」

プロポーズの言葉に「待っていた」と梅ちゃん。

主人公が初恋の人にプロポーズ。
とても微笑ましい場面の筈なのに、なぜか不穏な音楽が続き、現れたのは徳川家に呼び出された室賀正武。
とても不穏な音楽のまま次週に続く。

まとめ

今回は真田家の妙手がぴたりとハマり、久しぶりに一件落着で一話が終わりました。
しかし黙れ小童が不発だった室賀さまに何やら不穏な影が忍び寄っています。
梅ちゃんの件はめでたいですが、この先何が起こるのかまったく気が抜けません。

次回、真田丸 第十一回「祝言」 shirokutsushita.hatenablog.com

 前回、真田丸 第九回「駆引」

shirokutsushita.hatenablog.com

 十話より前の感想他一覧

shirokutsushita.hatenablog.com